クランクシャフトプーリーって消耗品なんだね。知らなかったよ。


え〜と、業務連絡。(誰に?)

筑波サーキットは、只今、絶賛工事中です。色々なところが。シーズンオフだからね。
通常だと、遠くから「ああ、工事中なんだ。」と眺めているのですが、今年の工事は影響が出ています。入場門が使えない。いつものところ。

なので、敷地の一番端のところから出入りしています。今。いつもは、大会中に出入りを指示されるゲートです。
だいぶ大掛かりに入場門周辺の建物を更新するみたいです。警備員さんの詰め所も含めて。
今月半ばまで、出入り不可ということなので、ナンバー付きじゃない車両で走ろうとする人は・・・だいぶ、車両を押すのが大変・・・(諦めてください。素直に牽引して。安全の為に)

さて本題。
「N1仕様エンジンを自分達で組んだら、なぜか点火時期調整ができなくなってた。」問題最終回です。

AE86の彼に相談したら、保管ガレージで作業を手伝ってくれる事になった。
現状を確認してもら・・・「ああ、連絡もらってから考えたよ。多分、クランクシャフトプーリーだ。プーリー・・・あるだろ?他のやつ出して。」

「????クランクシャフトプーリー???持ってないよ。予備なんて。」

「ないわけないだろう。これだけ散々エンジンを壊しておいて。ついてたやつ。どうした?」

「いや、だって・・・クランクシャフトプーリーってさ。最初に壊しちゃうんだよ。エンジンの積み下ろしの時にクランクシャフトプーリーか、ディストリビュータをひっかけちゃって、割れちゃうんだ。」

「今までどうしてた?」

「う〜ん・・・今、使ってるプーリーってさあ・・・確か、間違ってパワステポンプ用か何か・・・小さいのを取り付けちゃったことがあってさ。バッテリーが充電されない問題があったんだよ。で、元のエンジンについてたやつに交換して・・・ずっと使ってた。」

「いつ頃のやつ?」

「確か、前のボディのやつだよ。一番最初にオーナーが買ってきたN1仕様車についていたのをずっと使ってきた。2007年に買ってきたやつ。」
なんか・・・なんか、海よりも深いため息。AE86レースの彼が。

「まあ、まず外そう。」
あっという間に外されて・・・・って、なんか変。


え?なんだ?これ。
私が知っているファンベルトプーリーの形じゃない。


「外したらさあ・・・バラバラになって落ちてきたぞ。」

「なん・・・で?なんでこんなバラバラになっちゃうの?ファンベルトプーリーってただの鉄の輪っかでしょ?」

「違うよ。この分離してしまった輪っかの間には、ゴムが詰め込まれているんだよ。エンジンとオルタネーターの間のショックを和らげる役目をしているんだ。だから、エンジン1基にプーリーはひとつなんだ。移植なんてするもんじゃないんだよ。寿命がある部品なんだから。」

知らなかった。プーリーって、交換しないとダメなんだ。鉄の輪っかだと思って、ずっと移植して使ってきちゃった。

「新品買っておきな。1個・・・いや、2個買って予備品にしておいた方がいい。」

う〜ん・・・まだ、新品で出るのかね。こんな部品。っていうか、どうしよう。JOY耐。今日が大会前、最後の練習日なのに。
「アレだ。2023年に組んだエンジン。始動すらできなかったやつ。アレにプーリーついてるだろ。」

電動工具持ってきておいて良かった。簡単にクランクプーリーを外すことができた。
移植して、今の点火時期を見てもらう。
「あ、なんだコレ。こんな点火時期で走っちゃったのか?」
「うん。音で合わせた。心のままに。それで一走行だけ走れたよ。前回。」
「・・・・」

なんか・・・なんか無言になってる。もはやため息も出ないって感じ。

「4E-FEって・・・こんなおかしな点火時期でも壊れないってことなのか?なんでコレで走れたんだ?」
なんかブツブツ言ってる。肩越しに点火時期マークを覗いてみると・・・良かった。バルクヘッド側にどんどん光が流れてしまう現象は解決してる・・・ちゃんと点火時期を読むことできてる・・・・でき・・・目盛り・・・どこだろう・・・

AE86レースの彼が、「標準の点火時期」に合わせた後、練習走行開始。って、なんか・・・なんか変だね。1コーナー進入時のエンジン音。ダウンシフト時にボンって音が出てる・・・って、帰ってこな〜い。ピットに戻ってこないぞ。赤旗。開始5分で。

牽引されて戻ってきた・・・「エンジン・・・点火時期、はやめよう。ノーマル点火時期だと反応が悪い。車両のセッティング、変えたのか?動きが全く変わっていて、飛び出しちゃったんだよ。」

点火時期をはやめて、2走行目を送り出す・・・5分で赤旗。またウチだ。牽引されて戻ってきた・・・だけじゃなくて、係員さん付。
「どうしちゃったの?一体。砂利、いっぱい持ち帰ってきているからダメだよ。外に出して。」

今回、N1仕様エンジンを搭載しただけでなく、車高セットやブレーキパッドの材質まで、全部見直ししたんだ・・・全員、動きが違いすぎて戸惑ってる。

3走行め・・・さらに点火時期を早める。AE86レースの彼が調整してくれるんだけど・・・
「このエンジンなんだ?こんなに早めないとちゃんと反応しないなんて・・・」ずっとブツブツ言ってる。

3走行めは、ちゃんと20分走ることができた。変な音も出なくなってる。

「とにかく20分間走行できたから大丈夫だ。」
この状態で、2024年のJOY耐に臨みました。
残り5分でクラス表彰台から転落したのは残念だったけど、私は7時間耐久レースのチェッカーフラッグを見届けて、ほっとしていました。

「ちゃんと自分達で組んだエンジンで、7時間走り切ることができたぞ。ここからだ。やっと競走することができるようになった。」

もう、そんな変な壊れ方をすることは無くなったと思います。2011年にJOY耐にチャレンジし始めて、13年もかかってしまったけどね。
なんたって、全部、自分達で手作りですから。

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