マイッタ。FF車のアライメントってものすごく大事だった。
本来ならJoy耐が開催されていた時期に例年通り、整備が完了したEP82。
無事に6月から営業が再開された筑波サーキットで練習走行ができています。
我々のEP82は、耐久用なので「一定のタイムで連続して周回できること」を目指してセッティングしてあります。
ラインオフのノーマルエンジンそのままなので、とっても遅い。
でも、2016年春に載せたエンジンが、壊れることなくずっと走り続けることができています。
私自身も「いったんコースインしたら、よほどのことが無い限り、25分間連続で走行を続ける。」ことを目標に走行を続けています。
恐らくなんですけどねえ・・・人は、サーキットで周回を始めると・・・10分後ぐらいには集中力が切れるような気がするんですよね。
スプリントは、15周レースなので、その10分から15分にものすごく集中することが大事なのですが、耐久レースの場合は、一度コースインすると、場合によっては2時間連続周回。
普段から、「25分連続ラップができなかったら、その先も安定して走行できないだろう。」と思いながら、筑波サーキットの練習走行に臨んでいます。
車輌そのものも旋回のしやすさよりも「動きが予測しやすい」ことを望んでセッティングしてあるのですが・・・
年始の走行0周でスピンアウトしたところから始まって、延々と車輌の動きに手を焼かされていました。6月の営業再開の頃まで。
どうにもおかしいんです。
最終コーナー出口と1コーナー入口、それにダンロップ下でスピンしまくる。
オーナーは普通に走ってしまっているんです。1分11秒台。
なのに私は2秒落ち。同じ車なのに。
なんだこれ?なんか・・・この車両を信じられなくなっている自分がいる。
外車整備係に乗ってもらう。と思ったら、最終コーナーゼブラゾーンを外側に飛び出しながら・・・ジャンプしてホームストレートに戻ってきたよ。
降りてきて一言。
「よくこんな車乗ってますね。全然おかしい。前はこんな動きをしなかったのに。」
し〜!!!声大きい!オーナーは普通にドライブできちゃってるんだから。
「え?走れてるの?速く走れるのは知ってたけど・・・車なりに合わせこむことができるんですね。」
う〜ん????
整理をすると・・・
1)最終コーナー出口でアクセルONにすると、フロントを失う。
リヤが流れ始めた状態で、アクセルONにすると右にガクッとステアリングをとられる。
そのまま修正蛇を当てながら、アクセルONにすると、今度は左旋回開始。
2)1コーナー入口では、ターンインのところでブレーキペダルから足を離した瞬間に右に巻き込んでしまう。
修正蛇を当てても間に合わなくて、完全にスピンする。
3)ダンロップ下では、左側の芝生に飛び出していくか、飛び出すのを防ぐためにアクセルをオフにした瞬間に右に旋回開始。コースを横切って飛び出してしまう。
マイッタな。
なにかフロント側に問題がある。
LSDか、ドライブシャフトか・・・でも、ドライブシャフトは2019年のJOY耐の時に交換したばかりだし・・・
ミッションは・・・スプリント用車輌に搭載されていた5速ミッションが降ろしてあるけど・・・なんか、あのミッションも1ヘアピン進入で外側に飛び出す動きをするんだよな。やだなあ・・・
「少し前まで、こんな動きしなかったでしょう。この車両。一体何をやったんですか?」
オーナーと二人で、どんな整備をしてきたか思い出す。
去年のJOY耐は、完走できたんだからその後の作業だ。
「じゃあ、フロント側のアライメントが狂ってるんですよ。キャンバーから全部見ていかないと・・・」
そうなの?
いや・・・まあ、確かにバックストレートで左にステアリングはとられるけどさあ・・・これって、タイヤが減っていくから、しょうがないんじゃない?
外車整備係が、目視で調整を始める。
この車両、2013年のJOY耐予選中にぶつけられたのが、唯一の衝突なんだけど、4輪アライメントテスターにかけるとその衝撃がはっきりデータに残っていて、衝突後は、キャンバー角が左右合わなくなっちゃっているんだよね。
14mmと12mmのレンチを使って、なにか左右のステアリングホイールシャフトをいじり回して・・・
「ちょっと調整に出かけてきますね。」
それっきりAパドックに戻ってこない。
あ、やっと戻ってきた。
「これでだいぶまっすぐ進むようになりましたよ。これで練習してみましょう。」
そのままコースインしてもらって・・・1分10秒7。
・・・・あの・・・このボディでの記録更新タイムなんだけど。サラッと。あ、TTC1400車両群と比べたら、これでもとっても遅いです。でも、フルノーマルエンジンだからね。
オーナーと二人でポカン・・・
なんだこれ?ホントにアライメントの問題だけだったってこと?
その後、自分でも走ってみたけど・・・確かにホームストレートで左に寄ることはなくなったし、リヤがスライドし始めても、アクセルONで立て直すことができるようになった。
なんか・・・いろいろネジ類が緩んでいたのかもなあ・・・
整備仕様書を見ながら、規定トルクで全部増し締めをしよう。
って、増し締めをしたらね。また同じ症状。
まあ、これでよく分かったよ。FF車ってアライメント調整がものすごく大事なんだ。舵と駆動力を全部フロント側で処理するから、タイヤの角度が適切じゃないと、車両が変な動きをする。
しかし・・・このスタビライザーの取り付けねじはさあ・・・
確かにユルユルだったよ。規定トルクにするためにぐるぐるネジを廻す羽目になったけどさあ・・・不安になるぐらい。
でも、このネジいじったらまたアライメントが全然狂ってるって・・・ストラットとかナックルを外したときだけじゃなかったの?アライメントが狂うなんて。
マイッタなあ・・・以前、TTC1400の大ベテランドライバー様がアライメントチェックゲージを貸してくれたことがあるけど・・・使い方が分からなかった。
またグランドスラムエスプリさんに持ち込んで、4輪アライメントテスターを・・・いやいや・・・
目視。
目視で、フロントタイヤが左右まっすぐに向いているように調整しよう。
多分だいじょうぶ。きっと大丈夫。全然大丈夫。(ひつこい)
みんな。
「バックストレートを走っているときに左右どちらかにステアリングホイールを修正しないといけない。」場合は、アライメントチェックだよ。大事だった。すごく。
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